機能性ディスペプシア(FD)
胃癌、胃潰瘍、逆流性食道炎などのはっきりとした器質的疾患がないのに、胃痛、胃部不快感、胃もたれ、胸焼け、呑酸、腹部膨満感、食欲不振などの症状が続いていませんか?
それは、胃の機能異常が原因で引き起こされる機能性ディスペプシアという病気かもしれません。日本人の4人に1人がこの病気であると言われています。
機能性ディスペプシアは以前は、慢性胃炎、神経性胃炎、ストレス性胃炎などと言われてきました。また、ピロリ菌感染胃炎の場合もあります。その場合はピロリ菌除菌をすれば劇的に症状は改善します。胃腸の何かしらの症状がある場合、精密検査をすればその症状を引き起こす器質的疾患が見つかると多くの患者さんは考えます。ところが、実際には胃腸の精密検査をしても多くの場合は何も異常が見つからないことが多いのです。胃腸の機能異常による機能的疾患が大半を占めると思われます。
今回、機能性消化管障害の国際的な診断基準であるRome基準が改訂されました。
RomeⅢによるFDの診断基準 | |
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6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は書き基準をみたしていること | |
(1) |
以下の項目が1つ以上あること a.辛いと感じる食後のもたれ感 b.早期飽満感 c.心窩部痛 d.心下部灼熱感 |
(2) | 症状の原因となりそうな器質的疾患(上部内視鏡検査)が確認されない |
診断としては、採血、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、腹部超音波検査、腹部CTなどによって器質的疾患がないことを確認することが重要です。器質的疾患が否定されたら、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群等の機能的な疾患の診断としていいでしょう。
内服治療をする前に、まず生活改善が必要です、十分な睡眠、規則正しい生活、適度な運動、散歩、趣味、ストレス解消に心がけましょう。食事は1日3回規則正しく、ゆっくりよく噛んで、早食い、暴飲暴食をしない。高脂肪食、香辛料、カロリーの取り過ぎ、たばこ、アルコールを控えることが重要です。
薬物療法ですが、H2受容体拮抗剤やプロトンポンプ阻害剤といわれる酸分泌抑制剤が著効するケースが多いです。その場合は酸分泌抑制剤を継続投与します。改善があまりなく、胃もたれ、胸焼け、呑酸が強いときは消化管運動改善薬等の投与も行います。
また、うつ病、ストレス、不安神経症等、精神的な要因が強い場合は軽い抗うつ薬や抗不安薬等を併用します。それでも改善しない場合は心療内科の受診をお勧めします。
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