<腹痛の診療の難しさについて>|人間ドック・各種健康診断・内科・消化器科・胃腸科は東京都国分寺市の多摩メディカルクリニックへ

多摩メディカルクリニック
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院長ブログ

<腹痛の診療の難しさについて>

久々の院長ブログのアップです。今回は腹痛の診療について私の考え方を記載することとしました。長文になりますが、最後までお付き合い下さい。腹痛を主訴にまず何科を受診するかと言えばほとんどの患者さんが消化器内科を受診します。ある意味当然です。当院も国分寺駅より徒歩3分と駅近であり、アクセスもいいということで毎日多くの腹痛、おなかの症状の患者さんが受診しております。そこで私の診断方針をお話ししたいと思います。まず、一番注意が必要で間違いが許されないのは急性腹症です。急性腹症は極めて急を要する疾患が多く、診断、治療をいかに早く進めるかが重要になります。緊急性があるのは、虫垂炎、腹膜炎、急性胆のう炎、急性胆管炎、急性膵炎、イレウス、腸捻転、腸管破裂等枚挙にいとまがありません。まず、当院での診断、治療が難しいケースに遭遇した場合です。本当は病院の救急外来を受診しないといけないケースなのに、当院を受診した場合はかなり悩みます。問診、触診、腹部エコー、採血等を施行し、ある程度の診断はできると思いますが、それでもかなりの時間がかかります。診断が出来ないケースでは腹部CTが必要となります。当院ではCT検査装置はありませんので、近隣の検査センターに紹介となります。検査結果がでるまで1~2日かかります。その間に症状が悪化し、重篤な状況になる可能性を考えなければいけません。診断よりも全身状態の管理が優先されるケースもあります。入院、絶食、点滴、抗生剤投与などが必要なケースです。このような緊迫した状況は私一人では対応が難しく、複数の専門医師、ナース、検査設備が整った総合病院をいかに迅速に紹介できるかが重要となります。しかし、コロナ渦のなか、近隣の総合病院での受け入れは限界があり、紹介先が見つからないケースも珍しくありません。そういったケースでは患者さんが直接救急外来をダイレクトに受診してもらうことが一番早く、診断、治療をしてもらえることと思います。当院でも可能な限り、腹痛、おなかの症状の患者さんの対応はしますが、クリニックという性質上の限界もご理解してもらえれば幸いです。総合病院と消化器内科クリニック、確かに患者さんにはどちらを受診していいのか、どういう違いがあるのか、検査機器、医療スタッフを含めて、それぞれ役割が違うということをご理解して頂きたいと思います。前置きはこれぐらいにしておきましょう。
ところで、腹痛と言っても実に多くの疾患があります。おなかとは消化器内科だけではカバー出来ない奥深い分野なのです。よく胃痛を主訴に国分寺駅から徒歩圏内の当院のような消化器内科クリニックをネットで探して患者さんが受診します。胃痛って本当に胃が痛いのか、大腸、膵臓、胆のう、婦人科疾患、便秘、下痢、イレウス、ヘルニア、逆流性食道炎など多くの疾患を鑑別する必要があります。胃痛といって、胃カメラを施行し異常がないから胃薬を処方して終わり。はたしてそれでいいのでしょうか?消化器内科クリニックでは消化管、すなわち胃と大腸のカメラ検査をすれば事が済むという簡単なことではないのです。入口が消化器内科であっても、おなかというのは奥深く、消化管以外実に多岐に渡ります。婦人科、泌尿器科、腎臓、肝臓、膵臓、胆のう、胆管すべての疾患を把握し、常に鑑別診断として頭に入れて疑いながら、診断、治療、診察を進める必要があります。消化器内科クリニックの看板を掲げた以上、胃カメラ、大腸カメラだけをすることが仕事ではないはずです。少なくとも私はそういう医師にはなりたくありません。
当院の胃カメラ、大腸カメラは国分寺市でも件数的には一二を争うと思いますが、検査数増やすだけが目的ではありません。必要がないケースではカメラを勧めないこともあります。また、当院の特徴としては炎症性疾患、つまり潰瘍性大腸炎の診断、治療に注力している点です。潰瘍性大腸炎の治療は幅広く、消化器内科医の経験、能力が試されます。もちろん限界がありますが、20年以上の診療経験を活かして、今後も診療していくお覚悟でございます。その他、当院では内科一般、生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病・高尿酸血症)消化器内科、消化器内視鏡、人間ドック、各種健康診断等幅広く診療しております。